日本における少子高齢化のスピードは著しく、どうやって高齢者世代を支えるかが課題となっている。同様に、介護士の人材確保も追いついておらず、介護現場の多くが深刻な人材不足に陥ってしまっている。2025年には4人に1人が後期高齢者(75歳以上)となる予測が立てられており、医療福祉の業界において危機感が募っている。
それに伴い、介護士の労働環境の問題が指摘されている。中でも、労働の負担の大きさに対し、支払われる給与が低いというのは介護士あるあるで、多くの介護士が不満を抱えながら従事している現状がある。
そんな現状の問題を打破するべく、国は総力を挙げて対策を講じている。国は、職員の給与アップに繋がる介護職員処遇改善加算という制度を創設し、給与の低さの改善に取り組んでいる。
また、介護士の負担を軽減するため、介護ロボットの導入を推進している。介護をする相手は生身の人間であり、特に、大柄の男性高齢者ともなると、女性の介護士では対応が難しい場合もある。そのようなときには介護ロボットを活用し、負担なく介護を行えるようになれば、体力的な負担は大幅に減るだろう。ちなみに介護ロボットの導入に際しては、国が補助金を利用できる制度を設けている。
さらに、介護業界の人材不足の緩和や介護士のイメージ改善を目的として、学生に対して職場体験も実施されている。多くの若者層に興味を持ってもらえれば、人材確保だけでなく、介護現場の在り方も改革され、より良い方向に向かうだろう。